アパレルECサイトを始めたい人必見！ブランド別の特徴や選び方を紹介

2025年7月4日

アパレルECサイトを始めたい方、運営を改善したい方に向けて、市場動向・ブランド事例・運営の実務までを体系的に紹介。現場視点で実践的なヒントが得られます。

アパレルECとは？

アパレルECとは、洋服やファッション雑貨などをオンライン上で販売・購入する仕組みを指します。スマートフォンの普及やライフスタイルの多様化により、実店舗に行かずに買い物ができるアパレルECは急速に拡大しています。

アパレルEC市場規模と成長の背景

日本のアパレルEC市場は、ここ10年で着実に成長を続けています。特に2020年のコロナ禍以降、非接触型の買い物ニーズが高まり、EC化率（アパレル市場におけるEC売上の割合）は約20％を超える水準にまで拡大しました。これは他業種と比較しても高い成長率です。

成長の背景にはいくつかの要因があります。まず、商品を試着せずに購入することに対する抵抗が少なくなってきたこと。そして、画像や動画で質感や着用感が伝えられるようになったこと。さらに、返品対応や実店舗との連携など、ユーザーにとって安心して購入できる仕組みが整ってきたことも大きな要因です。

こうした環境の変化は、企業側にとっても新しいビジネスチャンスとなっており、従来の店舗販売に加えてEC運営を強化する動きが広がっています。

モール型と自社サイト型のちがい

アパレルECには「モール型」と「自社サイト型」という大きく2つのモデルがあります。モール型はZOZOTOWNや楽天ファッションのように、複数のブランドが一つのプラットフォームに出店する形式です。集客力が強く、初期費用を抑えてスタートできる点が魅力です。

一方、自社サイト型はユニクロやBEAMSのように、ブランド自身が運営する公式オンラインストアです。ブランディングの自由度が高く、リピーターを囲い込む施策にも柔軟に対応できます。ただし、集客や運営コストの負担はすべて自社で担う必要があります。

どちらの型を選ぶかは、ブランドの規模や戦略によって大きく異なります。新興ブランドや小規模事業者には、まずはモール型での出店から始めるケースが多いです。

代表的なファッションECサイトの特徴紹介

サイト名	強み	ユーザーへのメリット
ZOZOTOWN	ブランドが多数出店、セール施策充実	多彩なブランドから気になる商品を見つけやすい
ユニクロ公式ストア	実店舗との在庫・返品連携が強固	サイズ交換や返品が安心、店舗受取も可能
.st（ドットエスティ）	スタッフコーデ投稿やレビューが豊富	着こなしのヒントが得やすい、コーデ提案で購入の後押し
SHOPLIST	低価格・タイムセールが頻繁に実施	コスパ重視で手頃にトレンドアイテムを購入可能
楽天ファッション	楽天ポイントや経済圏との連携が強み	ポイント還元やセール情報でお得に購入できる

このように、各サイトには明確な強みがあります。ユーザーはそれぞれの特徴を活かして、自分に合った買い物スタイルを選でんでいます。

「売れるECサイト」は何が違うのか

同じように商品を並べているように見えても、「売れる」ECサイトとそうでないサイトには明確な差があります。その差は、購入までの導線設計、コンテンツの信頼感、そしてユーザーとの関係構築の工夫に表れます。

UI／UX設計と購入導線の工夫

使いやすさは、購入率を大きく左右します。たとえば、商品ページにアクセスしてから購入完了までのステップが多すぎると、ユーザーは途中で離脱してしまいます。ZOZOTOWNでは「お気に入り登録」からの通知連携が強力で、再訪率を高めています。また、ユニクロのスマホ向けUIは、商品画像が大きく、スクロールで情報が段階的に表示される設計がなされており、初めて訪れた人でも迷わず購入できます。

ECサイト構築時は、以下のようなポイントを重視すると効果的です。

カートに入れるボタンを常に表示する
サイト内検索の精度と表示スピードを高める
在庫情報・配送予定を明確に提示する

実際、UI改善だけでCVR（購入率）が2倍になったという事例もあり、軽視できません。

スタッフコーデやレビュー活用

ネット上では「実物が見られない」ことが購入の大きな障壁になります。ここを補うのが、リアルな情報です。.stでは、実店舗スタッフが日々アップする着用コーディネートが人気で、「身長別で似合うかどうか」が視覚的に伝わります。

レビューも同様に強力な武器です。購入者の声には信頼感があり、「サイズ感」「生地の印象」「洗濯後の変化」など、公式説明だけでは得られない情報が詰まっています。レビュー数が多い商品ほど安心感が増し、購買につながりやすくなるのです。

また、UGC（ユーザー生成コンテンツ）としてSNS投稿を商品ページに埋め込む手法も効果的です。実際にBEAMSではInstagramのコーデ投稿が購買意欲を高める導線として機能しています。

セール・会員施策・パーソナライズ戦略

「今買いたい」と思わせる仕掛けが、売れるサイトには必ずあります。代表的なのがセール施策です。SHOPLISTは短期間のフラッシュセールを多用しており、タイムリミットがあることで衝動買いを促します。

加えて、会員登録のメリットを明確に提示することも重要です。たとえば、会員限定の先行販売、送料無料、ポイント還元など、リピーターを育てる工夫が必要です。

さらに近年注目されているのが、パーソナライズ戦略です。過去の閲覧履歴や購入傾向から「あなたにおすすめ」を表示することで、自然な形で購買意欲を刺激します。これは特にリピート客のLTV（顧客生涯価値）を高める上で効果的です。

このように、「売れるECサイト」は、サイト全体がユーザーの心理に寄り添った設計になっています。あなたのサイトにも、こうした工夫を少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。改善を重ねることで、ユーザーとの距離は確実に縮まります。

アパレルECの仕事とは？業界で働くために

アパレルEC業界は、ファッションとデジタルの両面に関わる多様な職種で成り立っています。売上を上げることはもちろん、ブランドの世界観やユーザー体験をどう形にするかが大きなテーマとなるため、クリエイティブな視点とデータ分析力の両方が求められます。

アパレルECの仕事内容と必要スキル

アパレルECの仕事は、表から見える商品登録やバナー作成だけでなく、在庫管理や分析、広告運用など裏側の作業も多岐にわたります。たとえば、新作商品が入荷した際には、以下のような作業が発生します。

商品画像の撮影と加工
キャッチコピーや商品説明文の作成
適切なカテゴリーやタグ設定
在庫の割り当てとシステムへの登録

さらに、サイト全体の売上を上げるには、アクセス解析や広告運用、メルマガ・SNSの配信なども欠かせません。そのため、PhotoshopやExcelはもちろん、Google AnalyticsやEC専用CMSの操作経験があると重宝されます。

加えて、商品に対する感度やファッションへの興味も重要です。「なぜこの商品が売れるのか」を肌感覚で捉えられる人は、実務でも活躍しやすくなります。

EC運営チームの役割（バイヤー・マーケ・物流）

アパレルECはチームプレイです。中でも代表的な3つの役割を紹介します。

バイヤー：仕入れや商品の選定を担当し、「売れる商品をそろえる」役割を持ちます。トレンドに敏感で、数字に基づいた判断が求められます。
マーケター：広告配信、SNS運用、キャンペーン設計を通じて集客を担当します。CPA（獲得単価）やROAS（広告費用対効果）を意識しながら施策を回します。
物流・カスタマー対応：商品がスムーズに届くように出荷・在庫管理を行い、問い合わせにも対応します。返品処理やトラブル対応のスピードがブランドの印象を左右します。

これらの役割が連携し、商品が「届くまで」の体験全体を設計しています。優れたECサイトはこの連携力が高く、ミスが少ないのが特徴です。

求人が多い職種とキャリアパス

アパレルEC業界では、特に「EC運営スタッフ」や「WEBディレクター」「SNS運用担当」の求人が目立ちます。新卒からでも挑戦できるポジションもありますが、経験者優遇の傾向は強めです。副業やアルバイトでEC業務に関わった実績が評価されることも多く、ポートフォリオの提出を求められる場合もあります。

キャリアの進め方としては、まず運営スタッフとして現場を理解し、その後マーケティングやブランド戦略に関わるポジションへと広がるケースが多いです。たとえば、ECサイト運営からスタートし、SNSマーケ担当を経て、最終的にブランド全体のデジタル戦略責任者になるルートもあります。

もし今後この業界で働いてみたいと感じたなら、まずはEC業務に関わる現場の求人をチェックしてみましょう。小規模ブランドであればあるほど、幅広い経験を積むチャンスに恵まれます。自分に合ったスタート地点を見つけることが、将来のキャリアの土台になります。

アパレルECサイトを立ち上げたい人へ

ファッションが好きで、自分のブランドやセレクトアイテムをオンラインで販売したいと考える人は年々増えています。ただし、想いだけでは売上にはつながりません。

初期に必要な準備（サイト構築・商品登録）

まず、ECサイトを立ち上げるために欠かせないのが、以下の3つの要素です。

ショップの設計：ShopifyやBASE、STORESなどのツールを使えば、専門知識がなくてもECサイトを作ることができます。テンプレートを活用しながら、ブランドの世界観を表現することが大切です。
商品登録：商品の写真、サイズ、カラー、素材などの情報を丁寧に掲載しましょう。特に写真は購買を左右するので、自然光で撮影したモデル着用画像を用意するのが理想です。
決済・配送の設定：クレジットカードやコンビニ払い、スマホ決済など、多様な支払い手段に対応すること。また、配送業者との契約や送料設定も忘れずに行う必要があります。

いきなり完璧を目指さず、まずは最小限のラインアップでスタートし、ユーザーの反応を見ながら改善していく姿勢が大切です。

ECモールへの出店とその特徴

自社サイトに加えて、ZOZOTOWNや楽天ファッション、SHOPLISTなどのECモールに出店するという選択肢もあります。これらのモールはすでに多くのユーザーが集まっており、自分のブランドを知ってもらう場として非常に有効です。

ZOZOTOWN：ファッション感度の高いユーザーが多く、ブランドイメージの訴求力も強い。審査基準が高く、参加ブランドは選抜性。
SHOPLIST：価格帯の幅が広く、セール施策が頻繁。スタートアップブランドの出店実績も多い。
楽天ファッション：楽天ポイントとの連携により、集客効果が高い。キャンペーン活用が売上の鍵になる。

出店には月額費用や販売手数料がかかるため、自社サイトと併用することでリスクを分散させるとよいでしょう。

小規模ブランドが成功するために

知名度のないブランドがECで成功するためには、「誰に何を届けたいか」をとことん突き詰めることが重要です。あるストリート系ブランドは、10アイテム以下でスタートし、Instagramのフォロワーとのやりとりを通じて商品を磨き上げました。結果、半年後には月商100万円を超えるまでに成長しています。

具体的な成功ポイントは以下のとおりです。

顧客と直接対話できるSNSを中心に活用する
商品数よりも、ひとつひとつのクオリティとストーリー性を重視する
購入後のレビューや投稿を積極的に紹介し、共感の輪を広げる

売れるブランドとは、単に“おしゃれ”なだけではなく、そこに共感できる価値があるブランドです。あなたが立ち上げようとしているブランドも、「なぜそれをするのか」を言語化することで、他とは違う存在感を生み出せます。ぜひ、自分らしいスタイルで一歩を踏み出してみてください。

よく使われているファッションECモール一覧

ファッション業界でオンライン販売を行う際、多くのブランドがECモールへの出店を選択しています。ECモールにはすでに多くのユーザーが集まっており、自社サイトに比べて短期間で認知度を高めやすいという特徴があります。

ZOZOTOWN／SHOPLIST／楽天ファッション／MAGASEEK

現在、国内でよく使われている代表的なファッションECモールには以下の4つがあります。

ZOZOTOWN：ファッションに敏感なユーザー層が多く、ハイストリートやドメスティックブランドとの相性が良いです。ブランドイメージの維持や構築に向いた環境が整っており、販売面だけでなくブランディングにも強みがあります。
SHOPLIST：価格帯の幅が広く、特に10代〜20代の女性向けファストファッションに強いです。アウトレットやタイムセールなど、割引施策を活用しやすいのが魅力です。
楽天ファッション：楽天市場の巨大な経済圏とポイントシステムが魅力で、日常使いを意識したブランドや幅広い層を狙うブランドに向いています。集客力が非常に高く、販促キャンペーンも豊富です。
MAGASEEK：百貨店ブランドや大人向けファッションを得意とし、落ち着いた雰囲気の中で販売が可能です。長年の運営実績と安定した物流・決済基盤が評価されています。

モールごとの集客力と手数料比較

モール出店にあたって気になるのが「どれくらいの人が来るのか」と「どれだけコストがかかるか」という点です。以下に主要モールの概要を比較してみましょう。

モール名	月間訪問者数（概算）	販売手数料（目安）	特徴
ZOZOTOWN	約1,200万人	30〜35%	高感度なファッション層が多い
SHOPLIST	約700万人	25〜30%	セール重視の若年層に強い
楽天ファッション	約3,000万人	10〜15%＋固定費	楽天ポイント効果でCVRが高い
MAGASEEK	約200万人	20〜30%	落ち着いた大人向けブランドと親和性あり

※数値は目安であり、プランや契約内容により変動します。

手数料は高めでも集客が強いZOZOTOWN、費用は抑えられるが初期の販促努力が必要なMAGASEEKなど、モールによって戦略の組み方は異なります。

各モールに合うブランドタイプの傾向

どのモールに出店するかは、「どんなユーザーに届けたいか」によって決めるべきです。たとえば、価格重視でボリュームを狙うブランドであれば、SHOPLISTが最適です。一方、丁寧にブランディングを育てていきたいなら、ZOZOTOWNやMAGASEEKのほうが向いています。

個性的なブランドや中価格帯以上 → ZOZOTOWN
学生・若年層向けのトレンドアイテム → SHOPLIST
日常使いの安心ブランド → 楽天ファッション
落ち着いた印象のライフスタイル提案型 → MAGASEEK

最初は複数モールでテスト展開し、どの層との相性が良いかを見ながら絞っていく方法も有効です。出店には費用がかかりますが、ターゲットが明確であれば十分に回収できる可能性があります。自社のブランドの強みを活かせる場を選び、戦略的にスタートしていきましょう。

よくある質問

アパレルECサイトとは何ですか？: アパレルECサイトとは、洋服やファッション雑貨などをオンラインで販売・購入できるWebサイトのことです。スマホやパソコンからいつでも買い物ができ、サイズや在庫の確認、レビューの閲覧、返品手続きなどもすべてネット上で完結します。近年では動画やスタッフコーデの掲載、AIによるレコメンドなども進化しており、実店舗に近い体験を提供しています。
人気アパレルECサイトはどこですか？: 日本国内で人気のアパレルECサイトとしては、ZOZOTOWN、ユニクロの公式オンラインストア、.st（ドットエスティ）、SHOPLIST、楽天ファッションなどが挙げられます。それぞれユーザー層や特徴が異なり、ZOZOはトレンド重視の若者に強く、ユニクロは使いやすさと実店舗連携が魅力です。.stはコーデ提案が豊富で、ファン育成にも優れた設計になっています。
ファッションECサイトの大手は？: ファッションECサイトの大手としては、ZOZOTOWNとユニクロ公式オンラインストアが双璧です。ZOZOTOWNは多数のブランドを集めたモール型で、豊富な商品数とセール施策が特徴です。一方ユニクロは自社ECでありながら、シンプルな導線と高いUI設計力で直販モデルを成功させています。さらに、楽天ファッションやSHOPLISTなども市場規模の大きなプレイヤーです。
アパレル業界におけるECとは？: アパレル業界におけるECとは、服やアクセサリーなどをオンラインで販売する仕組み全体を指します。実店舗に代わるチャネルとして、販売だけでなくブランディングや顧客分析の場としても活用されています。コロナ禍以降は需要が一気に拡大し、返品対応や試着支援機能なども進化しました。現在では売上全体の2～3割がEC経由という企業も少なくありません。
大手のECサイトはどこですか？: 大手のECサイトには、ZOZOTOWN、楽天ファッション、ユニクロ公式オンラインストア、Amazonファッション、SHOPLISTなどがあります。これらのサイトは商品数の多さだけでなく、在庫連携、セール施策、ポイント制度など、ユーザーの利便性を重視した設計が共通しています。また、リピート率の高さやSNSとの連携強化によって、ブランド側にも大きな販売効果があります。
Z世代に人気のサイトは？: Z世代に人気のファッションECサイトは、ZOZOTOWNやSHOPLISTが代表的です。ZOZOはトレンド感が強く、独自のブランドや限定商品も豊富で、SNSとの親和性も高いです。SHOPLISTは手頃な価格でトレンドアイテムが買えるため、学生や若手社会人に支持されています。また、Instagramと連携した購入体験ができる.stなども、感度の高い若者に注目されています。

アパレルECサイトの運営には、商品力だけでなく設計・分析・接客の工夫が欠かせません。この記事をもとに、自分のビジネスに最適なスタートと改善の一歩を踏み出してください。

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この記事を書いた人

まさる

年齢：35歳（業界14年）
Webデザイナー兼マーケティングコンサルタント
20代前半から独学でECサイトを立ち上げ、自分でデザイン・運営・集客を担当。初めてのサイト運営では多くの苦労があり、失敗を重ねたが、その経験を活かして現在は成功している。その後、ECサイトの運営ノウハウを活かして他の企業のサイト立ち上げをサポートするコンサルタントとしても活躍中。
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