初めてでもわかる!ECサイトの初期費用とコスト内訳、予算の立て方

初めてでもわかる!ECサイトの初期費用とコスト内訳、予算の立て方

ECサイトを立ち上げたいけれど、初期費用やコストの内訳、予算感がつかめず不安という方へ。この記事では、各構築方法の費用比較や注意点を専門家の視点で詳しく解説。無駄な出費を防ぎ、失敗しないサイト作りのヒントが得られます。

目次

ECサイトの初期費用とは

ECサイト

ECサイトを立ち上げる際、多くの人が最初に直面するのが「費用の全体像がわからない」という壁です。無料で始められるサービスがある一方で、専門業者に依頼すると数百万円かかるケースもあり、予算の立て方に悩む方は少なくありません。ここではまず、「初期費用とは何か?」を明確にし、その内訳や注意点について解説します。

初期費用と運用コストの違い

ECサイトにおける「初期費用」とは、サイトを公開・運用できる状態にするまでにかかる一時的な費用のことです。具体的には以下のような項目が含まれます。

  • サイトデザイン・構築費用
  • ドメイン取得・サーバー設定費
  • カートシステムの初期導入料
  • 決済システムの導入費用
  • 写真撮影や商品登録作業の外注費

一方で、「運用コスト」とは、サイト公開後に継続的にかかる費用を指します。たとえば、毎月のサーバー代やカート利用料、決済手数料、広告費などがそれにあたります。

例えば、ShopifyでECサイトを構築する場合、初期費用はデザインやカスタマイズに応じて5万円〜30万円ほどが目安です。対して、月額利用料はベーシックプランで3,300円(2025年3月現在)と、継続的に発生するコストがあることも理解しておく必要があります。

初期費用と運用コストを混同してしまうと、想定以上の出費につながります。スタート段階で「どこまでが初期投資で、どこからが月々の維持費か」を線引きすることが、堅実な運用の第一歩です。

費用に影響するポイント

初期費用は一律ではありません。選ぶ構築方法や外注の範囲によって大きく異なります。主に影響を与えるポイントは以下のとおりです。

  • 構築手法の選定(無料サービス/ASP/オープンソース/モール/パッケージなど)
  • デザインの自由度(テンプレート使用 or フルオーダー)
  • 商品点数と登録作業の有無
  • 決済・配送システムの種類と連携範囲
  • スマートフォン対応や多言語対応の有無

たとえば、楽天市場に出店する場合、サイト構築費用は比較的抑えられますが、初期登録費や月額利用料が必要になります。ソフト自体は無料でも、専門的な設定作業が必要なものは、エンジニアへの外注費がかさむ傾向があるので注意が必要です。

このように、どの方法を選ぶかによって、初期費用は「数万円」で済む場合もあれば「100万円以上」かかることもあります。自社の商品やターゲットに合った方法を選び、費用の全体像を正しく把握することが重要です。

まさる

まずは「必要な機能」と「運用体制」を洗い出し、自分たちに合った最小限の構成で始めることがおすすめ。小さく始めて徐々に拡張していくのが、費用を抑えつつ成功に近づく現実的な道筋です!

構築方法別の費用比較

ECサイトの立ち上げ

ECサイトを立ち上げる際、選ぶ構築方法によって初期費用も運用コストも大きく異なります。無料で始められる手軽なサービスから、大規模な開発が必要な本格システムまで、その選択肢はさまざまです。ここでは代表的な5つの方法と、それぞれの費用感や特徴について解説します。

構築方法初期費用の目安月額費用の目安特徴
BASE 0円0円〜無料で手軽。初心者向け
Shopify(ASP型)0〜10万円3,300円〜カスタマイズ性が高い
EC-CUBE10〜100万円以上ほぼなし自由度が高いが開発スキル必要
楽天市場など6〜10万円程度5〜10万円集客力があるが手数料高め
ecbeingなど100万円〜数千万円数万円〜数十万円大規模向け。フルカスタム可能

無料サービス(BASE)

BASE(ベイス)

初期費用をかけずにスタートしたい方に最も選ばれているのが、BASEのような無料ECサービスです。登録から公開までの手順が簡単で、専門知識がなくてもすぐに商品を販売できます。

  • 初期費用:0円
  • 月額費用:0円(プランによっては有料機能あり)
  • 決済手数料:約3〜4%

デザインテンプレートも豊富で、スマホにも自動対応。開業資金が限られている個人やスモールビジネスには非常に相性が良い選択肢です。ただし、機能拡張やSEO対策の自由度には限界があります。

ASP型(Shopifyなど)

Shopify(ショッピファイ)

月額課金型のEC構築サービス、いわゆるASP(Application Service Provider)で代表的なのがShopifyです。基本的な機能が最初から揃っており、デザインや機能のカスタマイズも可能です。

  • 初期費用:0〜10万円(テンプレート使用時)
  • 月額費用:3,300円〜(ベーシックプラン)
  • 決済手数料:3.4%前後(Shopifyペイメント使用時)

海外販売や多言語対応も得意で、将来的に拡張したい方に向いています。一方、カスタマイズに凝りすぎると制作費が膨らむ点には注意が必要です。

まさる

ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)とはインターネットで使えるソフトを貸してくれるサービスのこと。簡単に言うと、「ソフトを買う」んじゃなくて「借りて使う」イメージです。

オープンソース(EC-CUBE)

EC-CUBE

もっと自由度の高いサイトを自分で構築したい場合は、オープンソース型のEC-CUBEが候補になります。ソフト自体は無料で使えますが、設定やカスタマイズには専門知識が必要です。

  • 初期費用:10〜100万円以上(開発委託する場合)
  • 月額費用:基本的になし(自社運用)
  • 決済手数料:選択する決済サービスによる

社内にエンジニアがいる企業や、独自仕様のECサイトを作りたい中小企業におすすめですが、運用・保守の負担も大きくなります。

まさる

オープンソース型とは中身(ソースコード)が公開されていて、誰でも自由に使ったり改良できるソフトのこと。有名なものだとWordPress(ブログやサイトを作れる)もオープンソース型で、「自由に使って、変えてもいい」っていうオープンなソフトのことを指します。

モール型(楽天市場など)

楽天市場(モール型)

楽天市場やAmazonへの出店は、自社サイトの構築を必要としないため、スピーディーに始められます。ただし、初期費用や手数料が高めで、価格競争も激しくなりがちです。

  • 初期費用:6〜10万円程度(楽天の場合)
  • 月額費用:約5〜10万円(プランにより異なる)
  • 販売手数料:6〜15%程度

集客力の高さは魅力ですが、ブランド構築や顧客情報の蓄積には制限があります。

パッケージ・クラウド型(ecbeingなど)

ecbeing

大規模な事業者やブランド志向の強い企業向けには、ecbeingのようなパッケージ型・クラウド型の構築方法があります。要件定義からフルカスタマイズで進めるため、最も自由度が高い反面、コストも圧倒的に高くなります。

  • 初期費用:100万円〜数千万円
  • 月額費用:数万円〜数十万円
  • 決済手数料:別途発生

長期的なブランド戦略オムニチャネル展開を前提にする企業に適した選択肢です。

まさる

お店・ネット・アプリ・SNSなど、いろんな“買い方”をつなげて、どこでも同じように買い物できるようにすることをオムニチャネル展開と言うんだ。お客さんが「どこからでも、ストレスなく買える」ように、お店側がすべての販売チャネルを連携させてる仕組みのことなんだ。

構築方法の選定は、事業規模や成長戦略と直結します。まずは自社にとって「何が必要か」を明確にし、コストだけでなく、運用体制や販売目標も含めて最適な方法を選びましょう。

費用の内訳と相場感

ECサイト構築

ECサイト構築にかかる費用は、ひとまとめにされがちですが、実際にはいくつかの要素に分かれています。それぞれの項目がどれくらいの費用を必要とするかを把握することで、全体の予算計画が立てやすくなります。ここでは主な費用項目とその相場について、具体例を交えて解説します。

費用項目相場の目安補足説明
ドメイン費年間1,000〜3,000円.comや.jpで料金が異なる
サーバー費月500〜5,000円共用か専用かで大きく変動
システム利用料0円〜月数万円サービスによって変動
決済手数料3%〜5%クレカやPayPayなどで異なる
デザイン・制作費0円〜50万円以上テンプレート or フルオーダー
広告・集客コスト月5,000円〜数十万円リスティングやSNS広告など

サーバー・ドメイン費用

サイトを公開するには、まず自分の住所にあたる「ドメイン」と、サイトを置く土地のような「サーバー」が必要です。

  • ドメイン費用:年間1,000円〜3,000円程度(.comや.jpなど)
  • サーバー費用:月額500円〜5,000円程度(共用/専用/クラウドで差あり)

たとえば個人事業主がレンタル共用サーバーを使えば、月500円以下で十分運用可能です。一方、アクセス数が多い中規模以上のサイトでは、安定性を重視して専用サーバーを導入することもあります。

システム利用料・決済手数料

ECサイトに不可欠なショッピングカートや決済機能には、月額利用料や販売ごとの手数料が発生します。

  • システム利用料:無料〜月数万円(BASEは無料、Shopifyは月3,300円〜)
  • 決済手数料:3%〜5%が一般的(クレジットカードやPayPayなど)

ShopifyやSTORESのようなASP型サービスでは、システム利用料と決済手数料の合計がコストの中心になります。無料で始められるサービスでも、売上が伸びれば手数料は無視できない金額になります。たとえば月商50万円で手数料3.5%の場合、1万7,500円のコストが毎月かかる計算です。

デザイン・制作代

見た目や使いやすさは、売上に直結する重要な要素です。テンプレートを使えば安く抑えられますが、ブランディングを重視するならオリジナルデザインが必要です。

  • テンプレート使用:0円〜5万円程度
  • カスタムデザイン:10万円〜50万円以上
  • 商品登録代行:1商品あたり500円〜2,000円

とあるアパレルブランドでは、Shopifyにオリジナルデザインを加えることでブランドイメージを確立し、月商を3倍に伸ばした実例もあります。初期費用としては高く感じますが、長期的には投資と考えられます。

広告・集客コスト

どんなに優れたサイトを作っても、見てもらえなければ意味がありません。集客に使う広告費は、事業規模や戦略によって大きく異なります。

  • リスティング広告(Google/Yahoo):月5,000円〜数十万円
  • SNS広告(Instagram/Facebook):1クリックあたり50〜150円程度
  • SEO・コンテンツ制作:月1万円〜外注で10万円以上

開業当初に広告費をまったくかけないと、集客ゼロが続くこともあります。特に競争が激しいジャンルでは、月5万円以上の広告費を初月から投じるケースも珍しくありません。

費用の内訳を理解することは、無駄な出費を避け、必要な投資を見極めるうえで非常に重要です。

まさる

どこに予算をかけ、どこを抑えるか。構築前にこのバランスを見極めることが、成功するECサイト運営の第一歩です。

ホームページとの違いと費用の違い

ECサイトの費用

ECサイトと一般的なホームページは、見た目は似ていても役割や設計思想、費用構造に明確な違いがあります。実際、企業サイトの制作経験がある方でも、いざECサイトを立ち上げようとすると、その複雑さに戸惑うことが多いです。ここでは両者の違いを整理し、費用の差が生まれる理由について解説します。

ホームページは「伝える」、ECサイトは「売る」

ホームページとECサイトは明確に違います。比較し、違いをわかりやすい表にしました。

比較項目ホームページECサイト
目的情報の提供商品の販売
主な機能問い合わせ、地図などカート、決済、在庫管理など
ページ数約5〜10ページ20ページ以上が一般的
初期費用10〜30万円30〜100万円以上
運用負荷低い高い
制作期間2〜4週間1〜3か月以上

企業のホームページは、会社情報やサービス内容を伝えることが目的です。いわばパンフレットのデジタル版。構成もシンプルで、トップページ、会社概要、サービス案内、お問い合わせフォームなどが中心です。

一方でECサイトは、商品を「売る」ための仕組みを備えた販売特化型のWebサイトです。買い物カゴ、決済機能、在庫管理、購入後のフォローなど、システム的な要素が数多く組み込まれています。つまり、ホームページが片道の情報発信なら、ECサイトは双方向のやり取りが前提の構造なのです。

制作費用の違い

費用面でも明確な差があります。以下は代表的な費用感の比較です(すべて一般的な中小企業を想定)。

項目ホームページECサイト
初期費用10万円〜30万円30万円〜100万円以上
ページ数約5〜10ページ20ページ以上が一般的
必要な機能お問い合わせフォーム、地図など商品ページ、カート、決済、在庫連携、メール通知など
運用負荷低い高い(注文処理・商品更新など)
制作期間2〜4週間1〜3か月以上

実際、ある美容系企業がホームページ制作からECサイトに移行した際、見積もりが当初の3倍以上に跳ね上がったことがありました。その原因は、デザインではなくシステムの実装コストだったのです。

ECサイトは見た目だけではなく、購入体験全体を設計する必要があります。そのぶん、要件定義やテストにも時間がかかり、開発工数が大きくなります。

事業の目的が「認知」なのか「販売」なのかによって、選ぶべきサイト構成も変わってきます。見た目のシンプルさに惑わされず、「何を実現したいか」を明確にしながら構築の方針を固めることが、ムダな出費を防ぐ最も確実な方法です。

よくある失敗と注意点

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ECサイト構築に取り組む際、多くの人が「早く売上を上げたい」という思いからスタートします。しかし、その熱意とは裏腹に、実際の現場では同じような失敗が繰り返されています。特に初めてサイトを立ち上げる方にとって、見落としがちなポイントを事前に知っておくことは、大きなコスト削減と成果向上につながります。ここでは、現場でよく見かける失敗と注意点を整理してお伝えします。

要件が曖昧なまま制作を進めてしまう

「とりあえず始めよう」と開発を急ぐあまり、何を売りたいのか、誰に届けたいのかが明確でないまま進行してしまうケースは非常に多いです。結果として、制作会社とのやりとりが迷走し、修正に次ぐ修正で費用が膨らみます。とある雑貨店では、最初のヒアリングを曖昧にしたため、納品されたサイトが顧客層と全く合わず、結局ゼロから作り直すことになった例もあります。

「安さ」だけで業者を選んでしまう

制作費を抑えたい気持ちはよくわかりますが、相場より極端に安い業者に依頼すると、サポートが不十分だったり、納品後の修正が有料になることがあります。また、運用中のトラブル対応が遅く、販売機会を逃す原因にもなります。「価格」と「支援体制」のバランスを見ることが大切です。

デザインや機能にこだわりすぎて離脱を招く

多機能なサイト=良いサイトではありません。購入導線がわかりにくくなったり、ページの読み込みが遅くなると、ユーザーはすぐに離れてしまいます。特にスマホ利用者が増えている現在、「シンプルで使いやすい」ことが最大の武器です。

商品登録・写真撮影を後回しにする

サイトが完成しても、商品が登録されていなければ販売は始まりません。にもかかわらず、制作の段階で商品情報の準備が間に合わず、公開が1か月以上遅れたという話も珍しくありません。商品データや画像は、できるだけ早い段階から準備を始めるべきです。

広告や集客を考えずに公開してしまう

「作れば売れる」は過去の話です。現在のECは、公開後の集客施策が成果を左右します。SEO対策・SNS運用・広告などを並行して考えておかないと、せっかくのサイトが誰にも見られず終わってしまいます。

ECサイトは単なる制作物ではなく、「事業そのものの顔」です。構築段階から全体像を把握し、細部まで意識して動くことが、成功の鍵になります。

まさる

目の前の価格や見た目だけで判断せず、長期的な視点で「失敗しないための準備」をしっかり整えてから動き出しましょう。

ECサイト構築は、費用と選択肢の理解が成果を左右します。この記事を通して、自社に最適な構築方法と予算計画を見直すきっかけにしていただければ幸いです。失敗を避け、着実に売れるサイトを目指しましょう。

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この記事を書いた人

年齢:35歳(業界14年)
Webデザイナー兼マーケティングコンサルタント
20代前半から独学でECサイトを立ち上げ、自分でデザイン・運営・集客を担当。初めてのサイト運営では多くの苦労があり、失敗を重ねたが、その経験を活かして現在は成功している。その後、ECサイトの運営ノウハウを活かして他の企業のサイト立ち上げをサポートするコンサルタントとしても活躍中。
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